抄録
超短焦点プロジェクタは至近距離からの大画面投影を実現する一方,投影面の凹凸によって投影像が幾何的に歪むことがある.本研究では,歪みによる画質劣化の定量化を目的とした.さまざまなバリエーションの歪み方を4つの物性(角度誤差,歪み幅,個数,連続性)に絞り,各物性をパラメータとして歪んだ投影像を擬似的に作成するシミュレータを開発した.その後,シミュレータで作成した評価画像の主観評価を行い,各物性と主観評価値の相関関係を検証した.その結果,各物性と主観評価値の相関係数が0.91となり,有意な相関も示され,歪みによる画質劣化の知覚を高精度に定量化できるようになった.さらに,歪みが気になりやすいコンテンツを検証し,コンテンツが含む直線量と画質劣化の知覚に有意な相関があることも判った.