抄録
二枚の回転ミラーを駆動する方式の非常に高速な光軸制御系は,従来の電動雲台式と比べ運動物体の継続的高解像度撮影が可能で,様々な応用が期待される.しかし3次元計測への応用の場合,浅い被写界深度と光軸変更の機械的構造の点から望遠な状況でのミラー式光軸制御系の高精度な校正が困難であった.本論文では駆動鏡面式高速光軸制御系の高精度な校正に向けて,同軸落射照明と再帰性反射校正器具による再帰照明系を用いた被写界深度増大手法と,カメラ光学中心の大きな並進移動に対し鏡像変換に基づくミラー式Pan/Tiltモデルと単眼システムでのバンドル調整手法を提案する.評価実験により被写界深度の充分な増大と広い光軸方向でのバンドル調整におけるサブピクセルの校正精度を達成し,ステレオ計測でも広い奥行き範囲で高い計測精度を示した.