2020 年 74 巻 1 号 p. 198-207
Coded Exposure Photography(CEP)は,被写体や撮像系の動きに起因するぼけを効率的に除去可能な画像復元手法として知られている.しかしながら,CEPには観測雑音に対するロバスト性が低い問題があり,著者らは画像のスパース表現に基づく新たなCEPを提案して,その問題を解決している.この手法では,画像復元を最小化問題として定式化しニュートン法に基づく反復解法を用いて解いているが,その一反復に大規模な連立方程式の求解を含むため膨大な計算量を必要とする.そこで本論文では,Alternating Direction Method of Multipliers(ADMM)法に基づく新たな反復解法を提案し,計算量の低減を試みる.実験により,計算効率の観点から本手法の有効性を示す.