映像情報メディア学会誌
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論文
ケーブルテレビ伝送網での効率的な映像配信技術の提案
~放送・通信動的配信切換技術の開発~
木谷 佳隆山下 博之松本 修一
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2020 年 74 巻 1 号 p. 192-197

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抄録

ケーブルテレビ業界では,2015年から開始されたケーブル4Kを皮切りに,放送番組を高精細化する取組みが積極的に行われている.これらの番組は事業者のインフラ事情に応じてRF放送またはIP通信のいずれかの方式によって加入者に届けられている.RF放送は一般に信頼性に優れるが,伝送帯域のリソース配分が固定的で柔軟に行えない.一方で,IP通信は帯域のリソース配分が柔軟に行えるものの,回線状況により信頼性が劣る場合がある.これらいずれの方式を用いても業界が目指す全番組4K/8K化の将来方針への対応は困難であり,何らかの効率的な映像配信技術が求められている.本稿では,放送と通信の両方式の長所を活用し,番組の4K/8K化を最大限図るため,各番組の視聴率,回線情報に基づいて,放送と通信方式を視聴者満足度最大化の規範で動的に切り換える技術を提案し,その有効性を開発したエミュレータにより実証した結果を報告する.

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© 2020 一般社団法人 映像情報メディア学会
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