映像情報メディア学会誌
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最新号
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論文特集 選奨(技術振興賞/映像情報メディア未来賞)受賞者論文
巻頭言
招待フィールド論文
技術振興賞進歩開発賞(現場運用部門)受賞
  • 秋信 真太郎, 冨吉 政貴, 吉村 理希
    2020 年 74 巻 1 号 p. 162-168
    発行日: 2020年
    公開日: 2019/12/24
    ジャーナル フリー

    衛星回線および運用の高効率化を実現したSNGシステムを開発した.多チャネル化による周波数効率の改善とSNGとしては初めて回線をIPネットワーク化したことで,IP伝送装置との連携等,利便性が大幅に向上した.また,一部の帯域にTDMA方式を採用し,車載局と固定局間のIP双方向通信を実現し,耐災性に優れた連絡回線(IP電話)を構築した.さらにこの回線を用いることで,衛星回線を通じて車載局からインターネット接続が可能となり,大災害発生時に公衆回線が利用できない場合でも,車載局が情報ハブとして機能することで報道制作等における利便性が大きく向上した.また運用面では,システムによる自動化を導入したことで大幅な効率化も実現した.

技術振興賞コンテンツ技術賞受賞
  • 宮﨑 太郎, 武井 友香, 牧野 仁宣
    2020 年 74 巻 1 号 p. 169-173
    発行日: 2020年
    公開日: 2019/12/24
    ジャーナル フリー

    TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアの普及により,誰でも気軽に情報が発信できるようになった.これにより,事件や事故に関する一次情報のようなニュース制作に役立つ情報や,世間一般でのトレンド情報など,放送局での番組制作に役立つ様々な情報がソーシャルメディアに投稿されるようになった.これらの情報を手軽に収集し,番組制作に役立てるために,我々はソーシャルメディア分析システムを開発している.このシステムでは,Twitterの投稿を分析し,事件や事故に関するニュースに役立つ情報を自動で収集する.また,情報の正確性を高めるための技術や,ニュース以外の番組への応用も考えた技術を日々開発している.本稿ではこのシステムについて説明するとともに,システム開発で培った技術を番組で利用した応用例を紹介する.

招待論文
技術振興賞進歩開発賞(研究開発部門)受賞
  • 琵琶 剛志, 土居 正人, 安田 淳, 門田 久志
    2020 年 74 巻 1 号 p. 174-179
    発行日: 2020年
    公開日: 2019/12/24
    ジャーナル フリー

    近年の映像情報の高解像度・ハイダイナミックレンジ化および活用領域の多様化に伴い,幅広い表現力と画面の縦横比やサイズの制限のない臨場感のある映像を提供できるディスプレイの必要性が高まっている.このような要求に対し,微細な発光ダイオード(マイクロLED)を画素に用いた高い表現能力と大画面への拡張性を両立したCrystal LEDディスプレイシステムを実用化した.この実用化に向け画素となるマイクロLED,個々の画素に微細な駆動IC(マイクロIC)を配置した新たなアクティブマトリクス駆動技術,ディスプレイユニットを継ぎ目なく配置する高精度タイリング技術を開発した.マイクロLEDによる非常に高いコントラスト比と広視野角,マイクロICによる優れた輝度再現性と色度安定性を数百インチという大画面で継ぎ目なく実現でき,従来ディスプレイでは困難な臨場感のある新たな映像表現が可能となった.

技術振興賞進歩開発賞(研究開発部門)受賞
  • 野中 敬介, 渡邊 良亮, 塚本 航平
    2020 年 74 巻 1 号 p. 180-186
    発行日: 2020年
    公開日: 2019/12/24
    ジャーナル フリー

    来る5G時代の新たな映像体験技術として,ユーザに高い臨場感を提供する自由視点映像合成技術のニーズが高まっている.これまで,数多くの自由視点映像合成技術が提案されてきたが,複数の高精細なカメラ映像から被写体の3次元形状を推定するために膨大な時間を要するといった課題があり,コンテンツのオフライン制作が必須であった.この制約から,放送波や無線を用いた自由視点映像のリアルタイム配信はこれまで実現されてこなかった.本論文では,リアルタイム処理が可能な自由視点映像合成技術,および5G網を用いた配信システムを提案する.提案手法では,従来,点群として表現されていた被写体3次元形状を,平面によって表現することで高速な映像合成を可能としている.また,当該技術を含む配信システムに5G網を用いることで,ユーザ操作に対して遅れのない合成映像の提示を実現した.実際のスポーツシーンにおける5G網を用いた実証実験において,本提案システムの有効性を確認した.

映像情報メディア未来賞フロンティア賞受賞
  • 為村 成亨, 峰尾 圭忠, 本田 悠葵, 新井 俊希, 渡部 俊久, 宮川 和典, 難波 正和, 大竹 浩, 久保田 節
    2020 年 74 巻 1 号 p. 187-191
    発行日: 2020年
    公開日: 2019/12/24
    ジャーナル フリー

    本稿では,高感度な超高精細カメラの実現を目指して,低電圧で電荷増倍が可能な結晶セレンを光電変換膜に適用した,膜積層型固体撮像デバイスの研究について紹介する.今回,ガラス基板上に作製した評価素子において,正孔ブロッキング層の導入による外部からの電荷注入の阻止,およびセレンの結晶性改善による結晶欠陥の抑制を実現し,光電変換膜で発生する暗電流を大幅に低減した.また,信号読み出し回路上での結晶セレン光電変換膜の作製においては,膜表面の平坦性の悪化が固定パターンノイズや暗電流の増加につながるため,キャップ層や二段階加熱法を適用した新たな結晶化法を開発した.これらの成膜条件や膜構成を適用することで,結晶セレンを用いた膜積層型 8K固体撮像デバイスにおいて,初めて高画質な映像の撮影に成功したため報告する.

論文
  • ~放送・通信動的配信切換技術の開発~
    木谷 佳隆, 山下 博之, 松本 修一
    2020 年 74 巻 1 号 p. 192-197
    発行日: 2020年
    公開日: 2019/12/24
    ジャーナル フリー

    ケーブルテレビ業界では,2015年から開始されたケーブル4Kを皮切りに,放送番組を高精細化する取組みが積極的に行われている.これらの番組は事業者のインフラ事情に応じてRF放送またはIP通信のいずれかの方式によって加入者に届けられている.RF放送は一般に信頼性に優れるが,伝送帯域のリソース配分が固定的で柔軟に行えない.一方で,IP通信は帯域のリソース配分が柔軟に行えるものの,回線状況により信頼性が劣る場合がある.これらいずれの方式を用いても業界が目指す全番組4K/8K化の将来方針への対応は困難であり,何らかの効率的な映像配信技術が求められている.本稿では,放送と通信の両方式の長所を活用し,番組の4K/8K化を最大限図るため,各番組の視聴率,回線情報に基づいて,放送と通信方式を視聴者満足度最大化の規範で動的に切り換える技術を提案し,その有効性を開発したエミュレータにより実証した結果を報告する.

  • 都竹 千尋, 吉田 俊之
    2020 年 74 巻 1 号 p. 198-207
    発行日: 2020年
    公開日: 2019/12/24
    ジャーナル フリー

    Coded Exposure Photography(CEP)は,被写体や撮像系の動きに起因するぼけを効率的に除去可能な画像復元手法として知られている.しかしながら,CEPには観測雑音に対するロバスト性が低い問題があり,著者らは画像のスパース表現に基づく新たなCEPを提案して,その問題を解決している.この手法では,画像復元を最小化問題として定式化しニュートン法に基づく反復解法を用いて解いているが,その一反復に大規模な連立方程式の求解を含むため膨大な計算量を必要とする.そこで本論文では,Alternating Direction Method of Multipliers(ADMM)法に基づく新たな反復解法を提案し,計算量の低減を試みる.実験により,計算効率の観点から本手法の有効性を示す.

  • 宮崎 大希, 橋本 直己
    2020 年 74 巻 1 号 p. 208-214
    発行日: 2020年
    公開日: 2019/12/24
    ジャーナル フリー

    近年,Projection Mappingと呼ばれる実物体の外観を変える映像投影技術が注目されており,動的な剛体や非剛体への適用が期待されている.非剛体への投影には変形検出が必要であり,強い変形にも対応できるマーカベースの手法が有効だが,外部遮蔽等で検出に必要な観測情報が充分に得られず投影できない領域が生じてしまう問題がある.特に衣服への応用を想定した場合,衣服の変形だけでなく着用者の腕による遮蔽の生じる中での変形検出が求められる.そこで本論文では,得られている投影対象の部分形状から全体の形状を推定し,逐次構築される形状モデルを手掛かりとしたマーカ検出を提案する.未検出状態のマーカ位置を見当づけて探索することで,変形や遮蔽を伴う中での投影を実現する.シミュレーションによる性能評価と投影実験から,提案手法において従来同様の強い変形への対応と外部遮蔽に対する性能改善を確認した.

動画付き論文
  • 大高 洸輝, 長 篤志, 長峯 祐子, 西川 潤, 坂井田 功
    2020 年 74 巻 1 号 p. 215-221
    発行日: 2020年
    公開日: 2019/12/24
    ジャーナル フリー
    電子付録

    これまでにわれわれの研究グループは,ヒトの視覚におけるモーションシャープニング現象を模擬した画像強調手法を開発した.この手法では,モーションシャープニングを説明する視覚の時間応答特性における抑制性と興奮性の応答の時間差を導入し,対象動画像のコントラスト向上とS/N比改善の効果が得られる.一方で,フレーム間の移動量が大きい物体を強調したとき,物体境界において擬似的な輪郭線が現れるという欠点があった.本研究では,この擬似輪郭を低減し,なおかつ計算コストを効率化する手法を提案する.そして,シミュレーション動画像,内視鏡動画像などの動画像を対象にその効果を確認した.

研究速報
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