映像情報メディア学会誌
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特集論文
マルチモーダルデータを活用した映像の文脈考慮に基づく動画コンテンツにおけるミッドロール広告の挿入位置最適化
春山 知生塚谷 俊介北出 卓也
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2025 年 79 巻 4 号 p. 446-452

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抄録

映像配信サービスにおいて配信される動画コンテンツには,動画広告の1種であるミッドロール広告が挿入されることがある.ミッドロール広告は,広告効果が高い一方で動画コンテンツの視聴体験を妨げる要因となり,視聴者に嫌悪感を抱かせることが問題とされている.そこで,スマートフォンに付帯するセンサにより取得される視聴者に関する情報を活用したり,動画中に映る物体の分布やその変化に着目することで,ミッドロール広告の挿入位置を最適化する手法が提案されている.しかしながら,センサ情報を取得することは,実際にはプライバシーやデバイス制約の観点で困難であることや,動画中に映る物体の分布やその変化への着目だけでは,映像の文脈を大域的に捉えることはできず,長尺映像への適用や音声情報の考慮ができていないことが課題として挙げられた.そこで,本研究では,センサ情報といった映像以外の情報は用いずに,映像から取得されるマルチモーダルデータのみを活用し,映像の文脈の考慮をTransformerを用いて行うことに加えて,音声情報を解析することで,視聴者の視聴体験を妨げないミッドロール広告の挿入位置を自動で決定する手法を提案する.最後に我々は,被験者実験を通じて,提案手法が視聴体験を妨げない広告位置の決定を高精度に行えることを確認した.

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