抄録
電話の音声を良く理解できない高度難聴者のために, 音声信号から音韻性と韻律性を示すパラメータを抽出し, 電話回線によって伝送, 受信側で画像化する通信方法の実現とその効果の推定について述べている.本研究における音声の画像化は, 音声を総合的かつ直観的に表現するパラメータ群の視覚的統合化を意味している点で, 他の視覚表示とは異なっている.実現された音声画像化方式とその画像の特徴について概略を説明した後, 電話回線によるパラメータ伝送のデータフォーマットを検討した.データフォーマットは, 回線のデータ伝送速度, 画像表示の実時間性, 量子化による色彩変化を最小に抑えるパラメータのビット配分等を基にして決定されている.検討の結果, 約100msの伝送遅れを許容すれば, ほぼ弁別限以下の色度変化で画像表現可能であることが示された.最後に, 音声画像による通話の可能性が調べられ, 発話速度を落せば理解可能との結論を得た.