抄録
本研究の目的は,廃棄物の有効利用の観点から複数の廃棄物を混合した材料を緑化基盤材として用い材料としての実用性の精査と,のり面植生の環境・景観評価方法の提案である.のり面植生工施工後約4年間の観測結果から,材料の土壌硬度は緑化植物において適正な15~23mmの範囲内にあり,C/N比は33以下で推移するなど植生の生育にとって良好な値を得た.すなわち,廃棄物の有効利用の観点から緑化基盤材としての実用性を立証できた.つぎにのり面植生の色彩を選び,従来から用いられている反射率に代えて植生反射スペクトルから色彩を数値的に把握し,緑視率からのり面植生の環境・景観評価を予測する方法を提案する.結果から,提案する方法はのり面植生の環境・景観を客観的に予測する一方法となり得るものであり本研究の目的を達成できた.