抄録
面放電型AC-PDPの面放電電極対の間隔を広げると発光効率が向上する。しかし同時に駆動電圧が上昇し駆動が困難となる。駆動電圧上昇のメカニズムを把握するため、駆動電圧の目安となる放電開始電圧を調査したところ、電極間隔を変化させるとpd(p : ガス圧、d : 放電距離)と放電開始電圧曲線の関係も変化し、放電開始電圧がpdでスケーリングされるというパッシェンの法則に従わないことが分かった。この理由を電極間の電界強度分布が不均一であるためと予想し、不均一電場の下での放電開始電圧の支配方程式を導出して実測値と比較した。計算結果と実測値は定性的に一致し、パッシェン則とのずれは電界分布の歪みに起因することが分かった。