抄録
光CATVにおけるサブキャリア多重伝送では, レーザーダイオード等によるクリッピング歪が問題となる。マルチキャリア信号は, シングルキャリア信号に比較して尖頭値対平均値電力比が大きいため, クリッピング(振幅制限)を受ける確率が高い。ここでは, マルチキャリア信号のクリッピング特性を明らかにするために, マルチキャリア信号であるOFDM信号を扱う。クリッピングモデルとして(1)非線形増幅器をモデル化したRF瞬時振幅の絶対値を制限(2)レーザーダイオードをモデル化した負のRF瞬時振幅を制限(3)ベースバンドにおいて同相および直交信号の瞬時合成振幅を事前に制限の3通りについて比較を行い, それぞれのクリッピングにより発生するOFDM信号のクリッピング歪の性質を明らかにした。