抄録
落下中の降雪粒子を解析することは, 雲中における雪片成長のメカニズムを解明する上で必要不可欠である.落下中の粒子同士の衝突併合には, 粒子の落下運動の複雑さや粒子形状が関与していることが報告されているが, 運動と粒子形状の関係については, いまだ定量的に解析されていない.本研究では, シャッタースピードの異なる2台のテレビカメラを用いて, 落下中の粒子の形状と運動を同時に測定することのできるシステムを開発した.実際の降雪粒子を撮影し, その映像より粒子の落下姿勢を示す慣性主軸の角度を求めた.運動を示す指標として角度変動量を定義し求めた.慣性主軸の角度は落下方向に対して直角になる場合が多く, また慣性モーメントの値が増加するにつれて, 角度変化量が増加する傾向が見られた.