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反射形表示素子として、我々が提唱しているホログラフィック高分子分散液晶(HPDLC)は、電界により回折効率を変化させることができるアクティブなホログラフィック光学素子(HOE)としての機能をもっている。HPDLCは、体積ホログラムであるため櫛形電極で駆動する液晶回折格子とは異なり、高効率でかつ副次的な回折光も発生しない。また、電界を切っても素子の状態を保持すること(メモリー性)が可能なので、マトリックス駆動を行っても回折効率の時間変動がない。さらに、液晶素子としては高速なミリ秒程度の動作が可能であることから、例えば動画像に対し、フレームごとに異なった光学的な画像処理を加えることができる素子として期待できる。