抄録
VTRの使用環境の変化や機構系の調整のばらつきなどにより生じる、ヘッドトレースの規定された記録フォーマットからの微少な誤差は、記録時には記録されるトラックの誤差、再生時にはトラッキング誤差となるが、狭トラックヘッドでの記録再生時には微少な誤差であっても再生信号に悪影響を与える。そこで、ヘッドのスキャン位置を検出するためのパイロット信号をあらかじめテープ上に記録しておき、この検出信号により記録及び再生時にヘッドのスキャン位置を制御するパイロット信号トラッキング方式について実験を行なった。その結果、テープテンション変動により生じる規定フォーマットからの誤差を軽減しトラッキング制御の高精度化に有効であることを確認した。