抄録
普通の人の情報発信を喚起し、社会に根ざした創造的なマルチメディア・コミュニケーションを実現するためには、人の合理的、理性的な側面だけでなく、自己表現欲、創造する喜び、あるいは認められる喜びといった、人の感性的な側面からの研究が極めて重要となる。そこで、我々は人とコンピュータとの創発的なインタラクションによる映像生成(創発的映像生成)をコンセプトに、人の自己表現・感性表現としての映像生成を喚起/支援する技術開発を目指した研究を進めている。具体的には人が自然に発する生体情報を自己表現情報と考え、それを入力情報としたコンピュータグラフィックス(CG)生成システムの構築を目指している。本稿では、我々が提案している創発的映像生成のコンセプトおよび脳波を入力情報としたCG生成システムを具体的に紹介するとともにその実験結果について報告する。