抄録
超微粒子含有系強誘電性液晶におけるしきい電圧の拡がりは、スメクテイック層傾斜角の分布により説明づけられた。またマイクロドメインの拡張は、超微粒子の存在によって抑制される。階調数を低減させる履歴現象は、配向膜の導電性を向上させることによって低減できた。スイッチング時における構造変化を、カルボニル基とビリミジン骨格の時間分解IRビークの波数シフトから検討した。分子軌道計算により、これらの波数シフトは、周囲の環境の誘電率の局所的な変化に起因すると示唆された。さらに、スイッチング時の配向状態は、SmC^*相であるにも関わらず、N^*相と類似であることが明らかになった。