昇華性を有するユーロピウム錯体Eu(TTA)_3phen(TTA;thenoyltrifluoroacetone, phen;1,10-phenanthroline)を合成し、有機EL用材料としての評価を行った。[陽極ITO/ホール輸送層/発光層/陰極MgIn]の2層型素子構造において、Eu(TTA)_3phenをドーパントとして用いた。ホスト材料としてアゾメチン亜鉛錯体1AZM-Hex用いた結果、Eu(TTA)_3phenのドープ濃度が5重量%の場合、輝度137cd/m^2の鮮明な赤色発光を得ることができた。この素子は、Eu(TTA)_3phen特有の614nmにピーク波長を持ち、シャープな発光スペクトル(半値幅5nm)を得ることができた。今後、Eu(TTA)_3phenは色純度の高い、赤色発光材料として有望であると考える。
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