抄録
有機電界発光(EL)素子の構成材料の一つである、正孔輸送材料の熱的安定性が素子の駆動耐久性に与える影響を調べた。正孔輸送材料として10種類のトリフェニルアミン(TPA)系の誘導体を用い、アモルファス状態の安定性・駆動耐久性の評価を行った。その結果、正孔輸送材料の耐熱性が向上することにより、素子の駆動耐久性も向上する傾向にあることが明らかになった。また、TPA4量体が代表的な正孔輸送材料(TPD)に比べて、耐熱性、駆動耐久性に優れていることを見出し、この材料とAlqを組み合わせた素子の連続駆動時の輝度半減時間が2000時間(初期輝度500cd/m^2)に達することを確認した。