学術の動向
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感染症をめぐる 国際政治のジレンマ ─科学的アジェンダと政治的アジェンダの交錯─
新型コロナウイルス感染症への日本の対応と課題
──行政学の観点から
城山 英明
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2023 年 28 巻 2 号 p. 2_84-2_87

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抄録

 新型コロナウイルス感染症(COVID19)への対応に関しては、保健、医療、経済等を含めた幅広い分野横断的調整が必要とされている。国際的には、世界保健機関(WHO)だけではなく、世界銀行、国連本体等との調整が必要とされている。国内的にも、保健、医療分野だけではなく、経済等を含めた幅広い調整が必要とされている。このような課題に対して、国際的には、日本は保健と財政の連携の観点から一定の寄与をしてきたが、現在はより幅広い連携が求められていると言える。他方、国内的には、専門家レベルで医学、保健、医療関係にとらわれない幅広い分野横断的調整が求められ、関与する専門家メンバーの範囲は拡大したが、必ずしも有効には機能しなかった。専門家レベルだけではなく、省庁レベル、政治レベルでの調整との連携が必要とされていると考えられる。

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