抄録
Eu(II)をドープしたアルミン酸塩の蛍光体について、Eu(II)イオンの存在するサイトに関する情報を得るために、EPR分光学による検討を行った。Xバンドでは大きなゼロ磁場分裂のためにスペクトルは複雑となり、何の情報も得られない。しかし、高周波EPR(90および180GHz)では、g=2.0を中心とした対称的なスペクトルが得られた。そしてシミュレーションにより、CaAl_2O_4については1つのサイトが、SrAl_2O_4とBaAl_2O_4については、それぞれ3つ、2つのサイトが存在することを明らかにした。これは結晶学的な検討から予想されたものと異なる。