抄録
高記録密度長手媒体の活性化体積(Va)と媒体ノイズの関係について、活性化体積の評価方法から考察した。媒体の磁化の減少はLn(t)に比例しないため、そのエネルギー的な障壁は狭い範囲に分布しており、故に活性化体積を正しく評価することが求められる。活性化体積は反磁場の減少に伴って増加し、数百 Oeの低磁界では保磁力付近における値に比べ数倍大きくなる。したがって、磁性粒子の集合的な振舞は、粒子間の相互作用だけでなく、ビット間遷移領域より生じる漏洩磁場による影響も考慮することが必要である。各種媒体のノイズは、低磁界で測定されたVaの値と密接な相関を示す事が分かった。