抄録
我々は対向する配向膜が同種のもので、焼成温度、ラビング強度など作製プロセスが非等価な非対称性配向膜セルを用い、TN系液晶ディスプレイの表示劣化の要因の1つであるパネル中の不純物イオン挙動を検証したので、得られた知見を報告する。このセルに対称な矩形波を印加しても内部DC電圧が蓄積され、表示劣化(フリッカ)が観測される。これは電界によるイオン濃度の増加と、それに伴うイオンの吸脱着平衡の変化によるものである。その際、配向膜と相互作用するのは負イオンであると思われる。また温度上昇によってもイオン濃度が増加し、非対称性がさらに促進されるように負イオンが吸着される。これら知見は材料設計の指針となる。