抄録
Pt下地層は200℃以上の基板温度で堆積させたCo_<77>Cr_<20>Ta_3膜の垂直配向を改善するのに有効である。50nm厚のCo_<77>Cr_<20>Ta_3をPt下地層上に250℃の基板温度T_sで作製した膜は2.5kOeの大きな垂直保磁力H_<c⊥>を持つ。異常Hall効果測定とVSMによる磁化測定により、斜め磁界印加時の磁化ベクトルを評価することが可能となった。この手法により、Co_<77>Cr_<20>Ta_3/Pt二層膜には界面で垂直配向を悪化させる初期成長領域が見られないことが示唆された。マイナーループの測定からも垂直磁気異方性が垂直方向の磁化反転過程に重要であることが示された。Ptシード層はCo-Cr系記録超薄膜の結晶配向や磁気特性改善に有効であるといえる。