映像情報メディア学会技術報告
Online ISSN : 2424-1970
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セッションID: BCS2000-81
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JPEGアルゴリズムにおけるブロックの類似性を活かした画像圧縮法の改善と評価
杉尾 敏康藤本 寛史藤本 典幸萩原 兼一
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抄録
静止画像圧縮技術の1つにJPEG符号化がある.JPEG符号化では, 圧縮の対象とする画像を複数のブロックに分割し, 各ブロックに対して順に, 同一の圧縮処理を行う.このとき, 全画素値が同一のブロックが存在する場合がある.ここで, 全画素値が同一のブロックのうち, 最初に圧縮の対象とするブロックを代表ブロック, それ以外を同一ブロックと呼ぶ.代表ブロックと同一ブロックに着目した白黒濃淡画像の圧縮法として, ブロック比較法(Block Comparator Technique, 以下BCT)がある.BCTでは, 同一ブロックと代表ブロックの同一関数を表(以下, BCT表)に記録して, それを圧縮ファイルに組み込み, 代表ブロックのみを符号化することでJPEG符号化よりも圧縮率を向上できる.また, 伸長時に同一ブロックに対する伸長処理を省略することによって, 伸長時間を短縮できる.しかし, 既存のBCTは, BCT表の構造に改善の余地がある.本研究では, BCT表の効率のよい符号化法を提案する.また, JPEG符号化処理過程の量子化後に同一ブロック数が増加することに着目し, 量子化後にBCT表を作成することを提案する.さらに, カラー画像を扱えるようにBCTを拡張する.117枚の画像を用いて評価した結果, 本研究が提案する手法は, 白黒濃淡画像およびカラー画像に対する圧縮率と伸長時間を, 画質劣化なしにJPEG符号化よりも向上できることがわかった.
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© 2000 一般社団法人 映像情報メディア学会
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