抄録
TaならびにCuをシード層に用いた極薄パーマロイ薄膜の誘導磁気異方性について検討した.Ta/Cu/Ni_79Fe_21/Cu/Ta膜における異方性磁界H_kの大きさは20nm以下の膜厚の減少にともない低下した.このようなH_kの低下はTa/Ni_79Fe_21/Ta膜でも同様に観察されることから, H_kの低下はシード層の表面エネルギーや結晶構造に依らないと考えられる.また, これらの膜における薄膜磁歪の膜厚依存性はH_kの変化と明確な関係が観察されなかったことから, 膜厚の減少にともなうH_kの低下は薄膜磁歪に起因した変化ではないと考えられる.