抄録
皮質内抑制性細胞は有線皮質(1次視覚野)の単純細胞, 複雑細胞などの方位選択性の生成過程に関して重要な役割を果たしていると考えられている.生理学的な実験より, 皮質内抑制性細胞も方位選択性を持っていることが判明している.すでに, この抑制性細胞の方位選択性の計算モデルが提案されている.そのモデルの特徴は次の通りである.(a)階層的マルコフ確率場(HMRF)を使用, (b)最大事後確率推定(MAP推定)によって計算目標を定式化, (c)MAP推定を求めるため, 並列アルゴリズムである一般化ICM寸法(GICM)を使用.本論文では, この計算モデルをニューラルネットワークで実現し, シミュレーションによって, その有効性を確認する.