抄録
CMOSセンサは、低消費電力・多機能性などの優れた特徴を持っており、CCDに代わる撮像デバイスとしてさまざまな分野での応用が期待されている。CMOSセンサの画質および感度を向上させるためには、おもに固定パターンノイズやリセットノイズといった特有のノイズや、プロセスに起因する暗電流を低減することが課題になる。本稿では、容量帰還によりリセットノイズを抑圧するCMOS-APSを提案する。この容量帰還型CMOS-APSの各画素は、フォトダイオード、4つのMOSトランジスタ、フィードバック容量およびバッファ容量で構成され、標準CMOSプロセスで作製可能である。また、試作した画素のリセットノイズは、従来構造の画素と比較して0.39倍に低減された。