抄録
本報告では,分散仮想環境において,触覚メディアを用いて3次元仮想空間内のオブジェクトを操作する場合の触覚メディア同期品質を実験により評価している.触覚メディアに対する同期制御のために,筆者らが以前に提案したVTR(Virtual-Time Rendering)アルゴリズムを拡張したものを用いる.拡張アルゴリズムは,ネットワーク負荷に応じてメディア出力前のバッファリング時間を動的に伸縮する.実験では,拡張アルゴリズムの他,二つのメディア同期アルゴリズムを扱い,ユーザレベル及びアプリケーションレベルQoS(Quality of Service)の観点からメディア同期品質を評価する.そして,拡張アルゴリズムの有効性を示す.