映像情報メディア学会技術報告
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セッションID: ME2002-35
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片手による手話表現に関する一考察(福祉工学および一般)
塩野目 剛亮鎌田 一雄山本 英雄Susan D. Fischer
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抄録

最近,テレビ電話機能が付加された携帯電話が発売された.今後,このような電話機が手話の送受信ができるような機能を備え,ろう者の間に普及することも予想できる.日本語を用いたメールよりもテレビ電話による手話会話がコミュニケーションとして好ましいと考える人たちもいると考えられる.この場合,携帯電話を片手に持ち,他方の手のみで手話を表現すること(片手手話表現)が要求される.日常生活で手話を使用している人たちは,荷物を持っている時,食事をしている時など,片手で手話表現することがある.本文では,このような「片手による手話表現」に焦点を当て,片手のみしか使用できないようにした状態での手話表出,および片手手話表現の受容実験を行ない,片手手話表現の規則性と手話文の理解の度合いについて検討している.実験結果からは,片手に制約を受けた場合にも十分に手話によるコミュニケーションが成立すると考えられる.また,テレビ電話機能が十分に使えるための課題についても述べる.

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© 2002 一般社団法人 映像情報メディア学会
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