抄録
広いMg濃度領域でZn_<1-x>Mg_xS:Cu,Al粉末蛍光体の固溶領域、結晶構造、発光特性について検討した。Mg濃度増加とともにZn_<1-x>Mg_xS:Cu,Al結晶中のwurtzite構造の割合は増加し、ZnS中のMgSの固溶限界は約20mol%であることが分かった。PLEスペクトルから求めたバンドギャップエネルギーはMg濃度増加により3.75eV(Mg=0mol%)から4.13eV(Mg=30mol%)へ増加した。0.25μA/cm^2、27.5kVで電子線励起した蛍光体のCLスペクトルでは、Mg濃度の増加によりgreen-Cu発光ピークが高エネルギー側にシフトし、Mg濃度4mol%以上の領域では2.86eV付近に新しい発光帯が観測された。CL発光色は発光スペクトルに対応して緑色から青色へ変化した。gereen-Cu発光ピークの短波良化はZn_<1-x>Mg_xS:Cu,Alバンドギャップエネルギーの増加がアクセプター(Cu^+)準位に影響を与えているために起こっていることが分かった。