抄録
各種ディスプレイ特性について,視線追随積分効果によりどのような動画像品質劣化が生じるかを仔細に解析した.そして視線追随積分効果により前縁・後縁に非対称なボヤケ・尾引きが発生することを見出した.また動画評価プログラムで実際の見え方を観察することにより,視線追随積分においてはBlochの法則は80msではなく50ms程度として適用されるべきであることを見出した.さらに視線追随積分シミュレ一夕により,各種ディスプレイでの劣化動画像を実際の見え方をよく再現する形で生成できるようになった.そして動画質改善の切り札であるブランキング方式であっても,LCDを使う限りはオーバードラブの必要なことを確認した.