古都景観の一例として飛騨高山市周辺における4景観を選定した.もとの景観内に赤色及び白色タイプの自動販売機を仮想的に合成設置した観測用サンプルを作成し,自動販売機の設置が周囲景観に及ぼす影響を定量的に評価・分析した.併せて,自動販売機の色相を赤色,白色及び茶褐色と変えた比較評価,また自動販売機の宣伝広告の有無における比較評価も行った.実験は,20人(男16人+女4人)の被験者がSD法でイメージ評価した.実験結果より,自動販売機は周囲景観に大きな影響を与えるが,色相の工夫や宣伝広告の減少は,周囲景観と調和させるという観点から有効であることが確認できた.