映像情報メディア学会技術報告
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OFDMにおけるMMSEに基づくキヤリア間干渉の除去(学生/若手技術者発表会および一般)
中村 充伊丹 誠伊藤 紘二
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p. 29-32

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抄録
OFDM信号を移動受信する場合は,ドップラーシフトによって周波数オフセットが生じ,サブキャリア間の直交性が崩れるため,キャリア間干渉(ICI)が生じる.搬送波周波数,移動体の移動速度が大きくなるにつれ,ICIの影響は深刻なものとなり,誤り率が大きく劣化する.そこで著者らはマルチパス環境下での移動受信を想定し,ドップラーシフトによって生じるICIを除去するシステムについて提案してきた.提案方式は,伝送路を複数の異なるドップラーシフトを受けた伝搬パスの和でモデル化する.そのモデルを用いて,パイロットシンボルから生成した受信信号のレプリカと,実際の受信信号との2乗誤差が最小となるように,各パスのパラメータを推定する.推定されたパラメータより伝送路行列を生成し,その逆行列を受信信号に乗ずることによってICIの除去を行う.しかし,このゼロフォーシング型のキャンセラは雑音の強調が生じてしまい,劣悪な伝送路では充分に特性を改善することができなかった.そこで本稿では,雑音成分を強調しないMMSE型のキャンセラを提案する.そして,計算機シミュレーションによって劣悪な伝送路でも特性の改善ができることを示す.
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© 2003 一般社団法人 映像情報メディア学会
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