低速電子線励起用赤色蛍光体SrIn_20_4:Pr^<3+>にIII族元素不純物を添加したとき、イオンにより発光効率を上げるものと下げるものとがある。前者にはAl^<3+>, B^<3+>, Sc^<3+>, Y^<3+>, Gd^<3+>などが、後者にはLa^<3+>がある。本研究ではGd^<3+>についてSrIn_20_4結晶中で占める格子点について検討し、以下のモデルによりこの現象を考察した。SrIn_20_4には酸素イオン空孔があり、高温では無幅射中心となるが、Tn^<3+>格子点に入ったIII族元素不純物はこれと競合して電子を捕らえるトラップ準位を形成してPr^<3+>による発光の効率を向上させる。一方Sr^<2+>格子点に入ったIII族元素不純物は酸素イオン空孔を増加させて、効率を低下させる。