抄録
陽極酸化法によりゲート絶縁膜を形成し、有機FETをプラスチック基板上に作製した。ゲート絶縁膜として誘電率の高い五酸化タンタル(Ta_2_O5)を形成でき、有機FETの低電圧動作が可能となった。作成した構造は半導体にペンタセンを用いたボトムゲート型である。試作したFETは、5[V]以下のドレイン電圧で良好な電流飽和特性を示し、移動度0.35〜0.51[cm^2/V・s]、電流ON/OFF比10^5が得られた。さらに、この有機FETのフレキシブル・ディスプレイ応用を目指し液晶の駆動特性評価を行なった。その結果、有機FETにおいても±10[V]以下の低いゲート電圧で液晶の光応答および透過率を制御できることを確認した。