抄録
TV放送は、現在の衛星デジタル放送に加え、2003年末からの地上デジタル放送サービス開始により、本格的なデジタル・ハイビジョン放送時代がスタートする。この場合、全国の放送局マスター技術者は、データ放送コンテンツやEPG(電子番組表)を含めた、デジタルビットストリームの監視など、これまで『アナログ』では経験しない『デジタル』特有のシステム運用スキルが必要となる。筆者らは、この新たなデジタル・ハイビジョン放送番組送出システムの運用スキルを醸成するとともに、暗黙化・形式化されているマスターにおけるシステム運用知識・ノウハウの活用を目指したeラーニングプロトタイプによる人材育成への取り組みを進めている。本報告では、eラーニングを使用したデジタル・ハイビジョン時代におけるマスター技術者の育成モデルを提案するとともに、現在開発を進めているeラーニングプロトタイプの概要について述べる。