抄録
FePt規則化合金は,次世代記録媒体,特に熱アシスト磁気記録媒体およびビットパターン媒体の候補として研究が行われている.本研究では熱アシスト磁気記録媒体を目指したFePt(Cu)規則化合金薄膜のキュリー点制御性と,将来的な自己組織化パターン媒体を目指したMgOテンプレートによるFePt作製法について報告する.キュリー点制御に関しては,FePtに第三元素として添加するCuの量を調整することにより,結果として150℃から250℃までキュリー温度を制御することに成功した.MgOテンプレートによるFePt作製については,反応性スパッタリングによって作製したMgO(100)/Fe(100)優先配向膜を加熱することによってMgO層の下にあるFeがMgO中に拡散して表面に顕在することを示し,さらにそれを利用してFePt系規則化合金膜を作製することに成功した.