抄録
所望の温度誤差ばらつきに抑え、かつ面積を最小化する温度センサ回路の最適化設計について報告する。回路のシステムモデルから温度誤差ばらつきの伝達関数を素子ばらつきの関数で表し、Pelgrom係数を用いて素子ばらつきを面積の式に置き換えることで、温度誤差ばらつきの伝達関数を面積の関数で表現する。この温度誤差ばらつきと面積の関数を利用して、回路全体の面積と温度誤差ばらつきとの関係を理論的に解析することで、過剰な面積増加を招くことなく所望の温度誤差ばらつきに抑えることが可能である。設計の結果、温度50℃〜125℃での温度誤差ばらつき3σは、設計値±3.6℃に対し実測±1.4℃となり設計値内に抑えることができ、またコアサイズは0.37mm^2(IO込み)で実現でき、今回の設計方法の有効性を確認できた。