抄録
連続時間型オーバーサンプルΔΣ変調器は、信号パスをスイッチレスで構成可能であるため低電圧で動作可能であり、広帯域動作を低消費電力で実現できる可能性が高く、近年盛んにその動作効率の向上手法が検討されている。本論文では、高次のΔΣ変調器を構成した場合に多数必要となる演算増幅器個数の低減を図るために、新しく高次積分回路を提案し、新規回路が多重フィードバック型と多重フィードフォワード型の2つの主要なΔΣ変調器に応用可能であることを示す。また、2次の多重積分器を用いて、5次ΔΣ変調器を構成した場合の、シミュレーション結果と電力効率について報告する。