映像情報メディア学会技術報告
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セッションID: ME2009-72
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表情の変換規則と画家の描画スタイルの学習に基づく表現力のある似顔絵の生成(学生研究発表会)
李 皆今井 順一金子 正秀
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抄録
本論文では、性別・人種・表情印象の異なる顔画像の特徴の分析に基づいて、より表現力のある似顔絵を生成する方法について述べる。まず、多様な顔印象を持つ顔画像データに対して、主成分分析により混合固有空間を作成する。主成分得点ベクトルに基づいてサポートベクトルマシーン(SVM)により、混合固有空間を日本人男性/女性、欧米人男性/女性の4つに分け、各クラスの判定を行えるようにした。さらに、Fishers線形判別手法を用いて、人種、性別、表情に関わる顔印象を分析し、各印象に特徴的な成分を求めた。異なる2つの表情に対応した日本人男性の顔画像群を学習サンプルとして混合固有空間に射影し、2つの表情に対する主成分得点の差分ベクトルを求めた上で、その平均を取る。この平均差分ベクトルを強調し、入力似顔絵に加えることにより、表情の誇張表現が出来る。次に、同一人物に対する顔写真と似顔絵画家が描いた似顔絵の各々から抽出した顔特徴点データを混合固有空間に射影し、各顔部品と配置の主成分得点ベクトルの関係を行列変換の手法で記述し、似顔絵画家の顔特徴の抽出手法を学習させる。これにより、元の似顔絵における顔特徴を保ちつつ、画家の個性を反映した似顔絵を生成できる。上記に基づいて作成した似顔絵に対して主観評価実験を行うことにより、提案手法が似顔絵の表情誇張手法として有効であることを確認した。
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© 2009 一般社団法人 映像情報メディア学会
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