映像情報メディア学会技術報告
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セッションID: BCT2009-44
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インピーダンス安定化回路網を用いた広帯域電力線搬送通信設備の伝導妨害波測定の盲点(放送/一般)
北川 勝浩
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抄録
屋内広帯域電力線搬送通信設備(PLC)によって生じる漏洩電磁界は、電力配線上に流れるコモンモード(CM)電流によるものと考えられる。このCM電流には、PLCモデム自身の不平衡性によって生じるものと、PLCモデムからコンセントに供給された差動モード(DM)信号が電力配線上に存在する不平衡性によってCMに変換されたものがある。我が国のPLCの技術基準では、コンセントで測定した縦電圧変換損(LCL)に基づいて電力配線の不平衡性を模したLCL=16dB、DMインピーダンス100Ω、CMインピーダンス25Ωのインピーダンス安定化回路網(ISN)をPLCモデムに接続して、電流プローブでCM電流を測定し、その値に対して許容値を定めている。ところが、その許容値を満たし型式指定を受けて市販されているPLCモデムを実際に一般家庭で使用すると、許容値策定時の目標値を20dB以上も上回る非常に強い漏洩電磁界を発生する。この直接の原因は、PLCのDM信号電流が過大なことである。本報告では、ISNを用いたCM電流測定が、なぜ過大なDM信号を許すのか、その原因を明らかにする。
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© 2009 一般社団法人 映像情報メディア学会
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