本研究では,空間的な注意の範囲を変化させた場合のアモーダル補完による輪郭位置の変化について心理物理実験により調べた.遮蔽されたパターンは,正方形,正方形の角を内側に丸めたパターン,正方形の角を外側に突出させたパターンの3通りで,いずれも1箇所の頂点を円盤により遮蔽する.アモーダルな輪郭の位置を,階段法によってプローブ位置をコントロールして測定した.プローブから等距離に呈示される3つの文字の識別の課題も同時に行わせることで注意の範囲をコントールした.実験の結果,注意の範囲次第でアモーダル補完される輪郭の形状が変化することが明らかになった.