抄録
本研究では,視点に点光源をもつ画像中に生じるハイライトに注目して,これからの3次元形状知覚について,心理物理学的に検討した.具体的には,視点光源と上方光源のそれぞれについて,知覚される3次元形状の確度(accuracy)と信頼度(confidence)を求め,ハイライトの有無による差異を検討した.その結果,ハイライトは信頼度を上げるが,確度は上がらないことが判った.この結果は,ハイライトは3次元形状を正しく知覚することよりも,形状を一意に知覚することを促進することを示す.このことは,ハイライトの主効果は3次元印象を高めることであることを示唆する.