抄録
地上デジタル放送の都市難視を改善するためにSFN-GF(Single Frequency Network-Gap Filler)の適用が期待される.SFN-GFの置局設計を容易にするためにはマルチパスの要因を特定し,伝送路特性を計算機シミュレーションにて再現できるようにモデル化することが重要となる.本検討では,伝送路特性の推定精度の向上を図るため,フィールドで測定した複数チャンネルの受信信号に対して解析を行った.また,伝達関数の時間平均を求める際,受信信号の位相が時間により変動する要因を分析し,位相変動の補正を行った.その結果,前回より良好な推定精度で,到来角度ごとのマルチパス受信電力特性を得ることができた.