抄録
デジタル放送のチャンネル帯域幅は6MHzで、その内、信号帯域幅は5.57MHz(6MHz×13/14)である。この信号帯域幅から求まる遅延プロファイルの距離分解能は54mとなるが、ワンセグ視聴などマルチパスの複雑な受信環境の伝搬解析を行うには遅延プロファイルの距離分解能を向上させる必要がある。そのため、デジタル放送の複数チャンネルの伝達関数を連結して等価的な信号帯域拡大を行い、伝搬特性の解析精度の向上に関する検討を行った。本検討では、特に遅延プロファイルの距離分解能の改善への適用について述べる。