抄録
広告の効果を把握するためのエージェントモデルを提案する.エージェントは,人が頻繁に見かける広告に無意識に気づき,記憶していく過程をシミュレートする.単純接触効果により,記憶されたオブジェクトはその人の選好を表す潜在的なプロファイルと考えられるため,抽出したプロファイルの中に広告が含まれていれば,エージェントはその広告は効果があったものと判断する.本モデルでは,独立成分分析を用いて複数のオブジェクトを含む写真から広告画像を抽出する.拡張現実空間を想定した計算機実験により,広告の効果は人がどの程度のオブジェクトを一度に把握できるかに依存することを確認した.