ウィナーフィルタを用いて,ブリルアン散乱現象に基づく分布型光ファイバひずみ計測の空間分解能を向上する方法を提案するとともに,シミュレーションによってその計測特性を調べている.本方法では,光ファイバ上の距離と周波数をパラメータとして観測されたパワースペクトルにおいて,周波数ごとに,距離方向の観測散乱光パワーにウィナーフィルタを適用し,高分解能化された区間における散乱光パワーを推定する.次に同一距離における推定された散乱光パワーを用いて,その距離における周波数スペクトルの中心周波数を求める.中心周波数がステップ状に変化する場合に観測されるパワースペクトルに対して本方法を適用した場合,従来方法に比べ中心周波数の立上りが約2〜6倍に向上できたことを,シミュレーションによって明らかにしている.