抄録
ディスク型ホログラムは,ホログラムをディスク状にし,真上からの照明によって360度全方向で観測を可能としたホログラムである.しかし,垂直方向に広い視域を得るためにはマスターホログラムを大きくする必要があり,特に計算機合成ディスクホログラム(CGDH)では膨大な計算時間となってしまうという短所を持っている.例えば高解像度(167,936×167,936 pixels)のCGDHを計算した場合,計算時間に115.6時間も必要となる.そのため,干渉縞計算の高速化がCGDHの課題である.本論文では,GPUを使用した高速化を報告する.GPUは多くのシェーダユニットを持ち,並列処理で計算を行う事ができる.結果として,高解像度のCGDHの計算を従来の36.1分の1の3.2時間に短縮することに成功した.