抄録
3D映画や3Dテレビ受像機も発売され,3D映像は様々な生活シーンで見られるようになってきたが,これらの装置が使用する立体画像の表示方式には,人間の立体知覚の面から見て多くの問題点がある.一方,ホログラフィ技術を用いたテレビジョンシステム(ホロTV)は理想的な立体映像通信システムであるが,技術的な困難さのため現状では実用化されていない.ホロTVは研究室レベルでのテスト機による研究が行われており,商業実用化まではまだ多くの問題を抱えるものの,この10年ほどで急速に進展している.本稿では,この研究状況と実用化を阻む原因の説明し,最後に今後の展望と現在の方式の問題点,およびこれを打開する方法を検討する.