3次元物体が有するその形状などの物理的特徴ならびにその視覚像の観察条件が,観察者によってその物体から共通して感受される高次の印象とどのような関係にあるかを明らかにし,両者を関連づけるモデルの構築に取り組んでいる.本研究では3次元物体の代表例として顔形状を選択し,3次元顔形状から読み取れる性別を2-AFC法と一対比較法によって評定してもらい,その結果を分析することによって,視点の角度と観察者の性差が性別判定に与える依存性を検証する.またSD法によって顔の高次印象の定量化を行い,その因子分析の結果から,その形状が想起させる高次の視覚印象を変化させるように顔形状のパラメータを操作する手法を提案し,その妥当性をサーストンの一対比較法によって検証する.