抄録
計算機合成ホログラム(CGH)は仮想3次元物体を実空間に表示することができる.我々は以前,平面のCGHの実像再生を実現した.実像再生はディスプレイ面手前に像を再生し観察者により立体感を与えるため,ディスプレイとして非常に有用である.しかし,出力装置の空間分解能の不足から視域はそれほど広くないという欠点があり,実用的ではなかった.そこで、より実用的な実像再生型CGHを目指し、前回の報告では実像再生CGHを半円筒状にすることで,約180度の視域があり,縦視差もある実像再生ディスプレイを実現した.このディスプレイはCGHであるため,撮影に実物体は必要なく,仮想物体を表示することが可能である.今回、再生光の入射角を変更することで再生像の拡大を行った.